旬をお届け 今月の成田山 ひとこと説法「今月のひとこと説法」

今月のひとこと説法

山茶花や門扉を閉じて常の坊   荒木東皐

 木々が葉を落とし殺伐とした景色が広がる初冬。家々の生け垣や庭を鮮やかに飾る真っ赤な山茶花を目にすると不思議と心あたたまる思いがします。
 山茶花は、冬に咲くツバキ科の耐寒性常緑樹です。花の中央にたくさんの雄蘂をつけ、花弁を一枚ずつ散らします。
 江戸時代、ツバキ科の植物は魔除けの力があると信じられ、二代将軍徳川秀忠はじめ多くの大名や人に好まれました。特に冬に花を咲かす山茶花や寒椿は人気があり、多くの屋敷で生垣や庭木として栽培されました。

無始無終山茶花たゞに開落す   寒川鼠骨

 山茶花の大きな特徴は、開花時期が続く限り花を咲かせながら散っていくところにあります。 その姿は、あたかも私たちに立ち止まることなく生き抜く強さを示しているかのようで、言い換えれば、お不動さまの火炎のように精進し続ける御心のあらわれとも言えましょう。
 荒涼とした冬ざれに色をなし、厳しい冬を彩る山茶花の生命力から苦難を生き抜く強い心を育みたい冬です。

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