旬をお届け 今月の成田山 ひとこと説法「今月のひとこと説法」

今月のひとこと説法

 江戸歌舞伎の創始者と謳われる初代市川團十郎丈を始祖とする成田屋市川宗家。歴代の團十郎さんは江戸歌舞伎を代表する特別な存在です。また代々成田山とのご縁が深く、成田山不動明王の熱心なご信徒として知られています。
 その成田屋家伝の芸に「睨(にら)み」があります。祝儀の席で披露されるこの「睨(にら)み」には、邪気祓いの御利益があるとされ、江戸時代には、大変お目出度いものとして「睨み」をきめる團十郎さんに、観客が手を合わせたと伝えられています。
 さて、この「睨み」、実はお不動さまの功徳(くどく)と深い関わりがあるのです。お不動さまのお顔は、「大忿怒(だいふんぬ)」と言う大変怒った形相(ぎょうそう)で、まるで人々を「睨み」つけているかのようです。この「睨み」について、真言宗をお開きになった弘法大師空海の著書『秘蔵宝鑰(ひぞうほうやく)』の中に「阿遮(あしゃ)一睨(いちげい)すれば業寿(ごうじゅ)の風(かぜ)定(しづ)まる」とあります。「お不動さまがひと睨みすれば、迷いの道に誘(いざな)う風がぴたりと止まり、障碍(しょうげ)災難(さいなん)を滅ぼして私たちを守ってくれる」、お不動さまの「睨み」とは、実に有り難いものなのだと説かれています。  不動明王の申し子とも称される歴代團十郎さんは、成田山に籠もり難行修行の末、「お不動さまの睨み」の奥義を会得し、自らを不動尊そのままに現じられるのです。
 年頭に当たり、ぜひ成田山へお詣りいただき、一年間の無病息災、開運成就を祈念され、「お不動さまにひと睨み」していただいては如何でしょうか。
 「それでは、吉例に倣い一つ睨んでご覧にいれまする。」 

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