成田山新勝寺 千葉県成田市成田1

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第52回 成田山『智光』小・中学生作文コンクール 審査結果

第52回 成田山『智光』小・中学生作文コンクール
審査結果

本年も『智光』小中学生 作文コンクールが開催され、厳正な審査の結果、下記の通り各賞を決定いたしました。
ご応募下さいました各学校の皆様には、厚く御礼申し上げます。

最優秀作「成田山貫首賞」

課題

小学生 茨城県4年 岡部弘明
中学生 千葉県2年 小林奏太

自由題

小学生 千葉県5年 多田ひかり
中学生 千葉県2年 遠山結菜

優秀作「成田山智光賞」

課題

小学生 千葉県5年 遠藤満里愛
小学生 埼玉県6年 飯塚愛歩
中学生 千葉県2年 西井実咲
中学生 茨城県3年 大須賀慶伍

自由題

小学生 茨城県4年 浅野花歩
中学生 千葉県2年 平野あかり

入選「成田山賞」

課題・自由題

小学生 後藤郁(東京都2年)、神之村翔(千葉県2年)、鈴木奏美(千葉県2年)、柴沼拓哉(茨城県3年)、上田乃じか(大阪府4年)、尾髙月雫(大阪府4年)、亀子愛華(千葉県4年)、原冬馬(大阪府4年)、吉中明日美(大阪府4年)、佐々木杜亜(千葉県5年)、土田朱姫(大阪府5年)、大橋虎空(大阪府6年)、小澤生季(大阪府6年)、神田桜生(大阪府6年)、清水結衣(大阪府6年)
中学生 秋山玲衣(千葉県1年)、岩田彩葉(大阪府1年)、海老沢心(千葉県1年)、小川衣織(埼玉県1年)、川﨑美央(千葉県1年)、今野櫂(千葉県1年)、髙木蓮(茨城県1年)、田中奏音(千葉県1年)、千葉穂(千葉県1年)、早川葵(千葉県1年)、樋口晃汰(千葉県1年)、平山怜亜(千葉県1年)、益本寅次(千葉県1年)、阿部美結(千葉県2年)、池田花音(千葉県2年)、海老原佑(茨城県2年)、大山夏菜子(千葉県2年)、唐澤琉(千葉県2年)、川井絵愛(千葉県2年)、郡司柚初(千葉県2年)、杉山恭太郎(埼玉県2年)、田中志歩(千葉県2年)、朝武実咲(千葉県2年)、中山沙恵(千葉県2年)、山本瑠那(埼玉県2年)、遠藤愛(茨城県3年)、遠藤孝太(千葉県3年)、小山田優花(茨城県3年)、角田千明(千葉県3年)、熊澤実玖(千葉県3年)、小池ゆりえ(東京都3年)、小林大地(千葉県3年)、小山百合子(千葉県3年)、松尾瑠空(千葉県3年)、眞名田美莉(茨城県3年)

最優秀作「成田山貫首賞」 課題「家族」(小学生の部)
茨城県 小学校4年 岡部弘明

新型コロナウイルスに感染して

ぼくは、この夏、新型コロナウイルスに感染し、家族のありがたみをあらためて感じました。新型コロナウイルスは、とてもひさんでした。お父さんが病院に連れて行ってくれたおかげでわかりました。お父さんもコロナに感染してしまいましたが、お母さんと弟はコロナに感染しないですみました。お父さんはホテルでりょうようし、ぼくは自宅かくりになりました。
 新型コロナウイルスは今も世界中で、広がっています。日本は一週間の感染者数が世界一です。ぼくは、マスクをきちんとして、手あらい、うがいなどもしていました。原因はよくわかりませんが、お友達と遊んでいるなかでちょっとした油だんをしたためか、コロナに感染してしまいました。熱中症みたいな症状でした。だんだん熱が上がってきて最高は三十八・四度です。頭痛がとてもきつかったです。毎日、毎日、早く治りますようにと、願いながらふとんの中でねていました。ご飯が食べられたのは良かったですが、ご飯が食べられなかったらとてもきつくてたえられなかったでしょう。
 かくり生活中、一番の楽しみは、お母さんが作った料理でした。お母さんは、毎日手作りのご飯やおやつなど、おいしい料理を作ってくれました。ぼくのご飯は、毎食階段のところにお母さんが置いてくれて、二階で一人で食べるかくり生活をしていました。電話でお母さんや弟の声などをきいてがんばりました。家族とは一週間会えなくてとてもさびしかったです。
 お父さんは、ホテルりょうように入る前にぼくがかくり生活中、たいくつしないようにゲームの設定をしてくれました。そんなお父さんが、悪化しないように病院に入院した時はなみだがでるほど悲しい気持ちになりました。はなれて住むおじいちゃんは、図書館で本をかりてきてくれて、おばあちゃんはぼくが好きなゼリーを届けてくれました。
 コロナになって、家族の優しさをとても感じられました。あたり前だった家族の優しさを知り、家族をより好きになりました。ぼくが治り、お父さんが退院した日は家族全員でパーティーをしました。みんなで食べるご飯はひさしぶりで一人で食べるご飯とちがって、とてもおいしかったです。お父さんの優しいえがお、お母さんのおいしい料理、弟のかわいいわらい声、いつもの日じょうがもどってきたように感じられました。
 新型コロナウイルスになって親の大変さ、ありがたさを知りました。何か恩返しをしようと思って食器洗いなどお手伝いを毎日するようになりました。新型コロナウイルスの薬ができて、みんなが安心して生活できる日が早く来ると良いなと思います。コロナが世界から早くなくなるよう、毎日願っています。

最優秀作「成田山貫首賞」 課題「地球のためにできること」(中学生の部)
千葉県 中学校2年 小林奏太

地球のためにできること

私たちが住む地球という星は、緑が豊かで沢山の生き物が住む、宇宙で唯一無二の星であります。青い星と呼ばれるこの星を、宇宙から眺めた人類はわずかしかいません。でも、これから先の未来は、今よりも宇宙が身近になり、地球を宇宙から眺められる人類が増えることは確かです。何万年先も地球は、青く見えるのでしょうか。
 昨今、地球は温暖化が進み、この夏休みも、記録的猛暑だというニュースを繰り返し耳にしました。これまでにない暑さに、私自身も、不安を感じました。このままいくと二一〇〇年頃には地球の温度は一・一度~六・四度上昇し海面は十八~五十九センチ上昇してしまうそうです。夢のような話だった宇宙旅行が、手の届くところまでやってきているのに、海に沈んでいく故郷をただ眺めているのは、あまりに悲しい未来ではないかと思うのです。
 では、地球を守る為にしている事は何かと問われると、マイバッグを持参する、ペットボトル飲料を買わない、公共の交通機関を利用する等が思い当たります。ただ、私一人がこれらの行動を起こしても、地球に与えられる影響は無いに等しい力です。そうかといって何もせずにいたら、私たちの今ある日常が保たれていくことは困難だといわれています。わずかな力が大きな力になる為には、人々が理解し、協力しなくてはなりません。地球について、継続的に学び知識を深めていくことが不可欠であり、学んだことを共有していく。この繰り返しが、地球を守ることに繋がっていくのではないでしょうか。
 継続的にという点においては、負担なく行動できるということも大切です。何かを発信する際の、重要なポイントではないでしょうか。日常の中で、関心を持ったことを気に掛け、日々の生活に取り入れていければよいのではないかと思います。エコバッグを持つことも、地球の為と思うのではなく、おしゃれなサブバッグを友達に自慢したい、気温に合った温度の飲み物を常に飲みたいから水筒を持つ、こんな自己優先でも十分な理解だと思うのです。その先に繋がるのは、プラスチックが減り、環境汚染を防止するという協力です。地球を守ろうという目的を達成するには、長く続くことが大切だからです。
 私は、地球の為に何か大それたことをしようとは思っていません。それでも、地球に住む人や、生き物、植物に、今と変わらぬ毎日を過ごして欲しいと思っています。だから、ニュースから得る情報に耳を傾け、授業で学ぶ機会に感謝し、日常の変化に関心を持って過ごしていきます。子供ができたら、海や山に連れて行き、自然と共に過ごす中で、自身が学んだことを伝えていきたいと思います。ありのままの地球を残していきたいという思いこそが、学ぶことや、伝えることの根源であり、人や自然を紡いでいく、地球の為にできる一番身近で大切なことではないかと、私は思います。

最優秀作「成田山貫首賞」 自由題(小学生の部)
千葉県 小学校5年 多田ひかり

『夢と絆のバトン』

夏休みが始まった初日、となりで勉強していた姉がふと手を止めてテレビの電源をつけた。なんだろうと思って見ると、姉が通っている高校の野球の試合が始まっていた。私は眠たい目をこすりながら、テレビをぼんやり見ていた。
 ゲームが始まる。正直、私も姉もそんなに野球は詳しくないからアナウンサーの解説をたよりにテレビを見ていた。今回の相手は千葉県でも昔から強い学校らしい。野球をこんなにじっくり見るのは人生で初めてだ。ピッチャーとバッター、そして、一つのボールをめぐって、計十八人が必死に追いかけつつ、攻めると守るがなんか目まぐるしく入れ替わる。いや、それだけではない。グランドにいる人だけでなく、いろんな人も関わっている。
 観客席で応援する人、楽器をえんそうする人、グランドに入れなくてもユニフォームを着て応援する人。
 ゲームは一点、二点とられて、追いかける流れのようだ。ピッチャーとバッターの一対一の戦い。
(こわくないのかな)
とふと思った。雨がふった翌日だったせいか、テレビの向こう側は暑そうだった。画面ごしにピッチャーの顔の汗が見える。一球、一球の緊張感も画面ごしに伝わる。時々、ピンチになるとグランドのチームがみんな集まって、お互いに声をかけていた。
(いけるいける!大丈夫!)
そんな声が聞こえるようで、そして何かのおまじないのようにチームのみんなで人差し指を合わせて空に掲げていた。そこにはずっと一緒に練習し、時間、想いを重ねてきた”絆”があった。
 ゲームは同点のまま、延長戦が続く。どちらもあきらめていない。私もはらはらする展開が続く。その時、
キン!
高い音が鳴り響いた。
一斉に沸き上がった歓声に何が起こったのかわからなかったけど、逆転の選手がホームを踏んだ。
(勝った!)
ゲームは姉の学校の勝利だ。
 試合終了の合図にみんなが整列する。泥だらけのユニフォーム、鳴り響く拍手、喜ぶチームの人達。そして一方で大きな体のお兄さんが背中を向けて泣いていた。
 こうして勝ったチームは負けてしまったチームの分の思いも背負っていくんだなと思った。そして、私はそのバトンのようなものに名前を付けることにした。
 名前は、『夢と絆のバトン』。
 どのスポーツもそうだけど、改めてこの”バトン”を今日、強く感じた。

最優秀作「成田山貫首賞」 自由題(中学生の部)
千葉県 中学校2年 遠山結菜

『平和』ってなんだろう

この夏、私は成田市折り鶴平和使節団として原子爆弾が落とされた長崎に、行きました。
 「あなたにとっての平和ってなんですか」。と、事前研修会の時に、聞かれてハッとしました。なぜなら、今までそんなことを考えたことがなかったからです。平和を辞書で調べると、戦争や紛争がなく世の中が穏やかな状態と書いてありました。私は平和とは何かを、長崎に行き探してみようと思いました。
 長崎は、今から七十七年前の一九四五年八月九日十一時二分に原爆が落とされました。あの日、七十七年前の人々は一瞬で大切なものを全て奪われました。家族と楽しく過ごしたり、友達と遊んだりしていた当たり前の日常が戦争や核兵器によって簡単に奪われたことに心が痛くなりました。さらに、原爆の放射線の被害が、がんや白血病などに変わり続いていることに胸が締め付けられました。
 長崎で、実際に被爆した方にお話を伺いました。学校の全校生徒の半分、そして母親も亡くしたそうです。母親が亡くなったと聞いた時、悲しいとも思えないほどこの世の地獄だったそうです。今のこの平和な時代では、考えられないと言っていました。核兵器は、悲しい感情さえ持てなくなってしまう恐ろしいものです。今も世界のどこかでは、戦争や紛争が起こっているのが現実です。もし、核兵器が使われたらと考えるだけでも、とても怖くなりました。
 私は、ガイドさんにも色々と教えてもらいました。色々な方の話には共通点がありました。みんな長崎が最後の被爆地になってほしいと言っていました。私は、原爆を体験した方々の思いを語り継いでいこうと思いました。
 長崎に平和を探しに行き一番悲しくなったことは、日本が核の傘の国だったということです。核の傘の国とは、同盟国の核に頼っている国のことです。日本は、唯一の被爆国ですが、アメリカの核に頼っているのが現状です。日本は、ずっと平和だと漠然と思っていました。しかし、また一瞬で地獄に変わってしまうこともあると想像すると、とても怖くなりました。
 今回の旅で、平和と自分は何をすべきなのかを見つけました。私は、戦争や核兵器がなく、ささいなことで笑えることが平和だと思いました。なぜなら、核兵器は一瞬で世界を地獄に変えます。そして、形をがんなどに変えて何年経っても人々の心を苦しめる恐ろしいものだからです。しかし、現実は世界のどこかで戦争が起き、誰かの大切な人の命が次々と奪われています。平和になるためには、戦争がなくなり、永遠に起こさないことだと思いました。そして、核兵器の恐ろしさや平和の大切さ、七十七年前の悲劇を風化させないために、今回学び感じたこと、体験したことを大切に語り継いでいこうと思いました。また、当たり前の日常、笑顔の世界を大切に過ごすことの大切さを実感しました。

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